2011年7月13日水曜日

マン島 キャットコイン

マン島はイギリス本島とアイルランドの間にある淡路島ほどの大きさの、自治権をもったイギリス王室属領です。通貨はマンクスポンド(マンクスとは「マン島の」という意味)という独自のものですが、レートはイギリスポンドと同一です。
キャットコイン(金純度99.99%)は1988年よりマン島政府が発行しているもので、片面には現女王エリザベスⅡ世、そしてもう一方には毎年違った世界の猫の図柄がデザインされ、人気があります。

この1993年発行の金貨にはメインクーンというアメリカメイン州が原産とされる大型の猫が描かれています。メインクーンの本当の起源は諸説ありはっきりしていませんが、17~18世紀にヨーロッパから持ち込まれた家猫が厳しい自然によって淘汰され逞しい猫に変貌を遂げ、現在のメインクーンの姿へと進化していったといわれています。
金貨にも描かれている通り、胸元にはマフラーのように長い毛、ふさふさとした立派な尻尾が特徴です。体は非常に大きく四肢は自然の厳しさによって鍛えられ、しっかりした骨格に強固な筋肉がついています。 体調は1メートルを超えることもあり、ギネスブックには123cmという記録が残っています。


その大柄な風貌には似合わず、メインクーンは温和で賢く器用な猫で、戸を開けたり、水道の蛇口を開いたりしてしまうそうです。
ちなみに第1回発行のキャットコインには、マン島固有種であるマンクスがデザインされています。
この猫は尻尾のない猫として有名ですが、厳密にはまったく尾がないもの、尾椎が残っているもの、短い尾がついてるものの三段階に区別されます。この尻尾がないことに関しては諸説ありますが
「ノアの方舟に最後に飛び込んで、扉に尾を挟まれて取れてしまった」というものが有名です。





2011年7月8日金曜日

ウィーン金貨

ウィーン金貨ハーモニーは1989年にオーストリア造幣局より発行され、現在のヨーロッパでは唯一の地金型金貨(投資用に発行されている金貨)です。

この金貨は9999+(フォアナインプラス)と呼ばれる純度99.99%の金貨で一般的な記念金貨とは違い金地金(インゴット)と同等に扱われます。
金貨の表面にはニューイヤーコンサートで有名な楽友協会大ホールのパイプオルガン、
裏面には「ウィンナホルン」をはじめハープ・ビオラ・バイオリン・ファゴット・チェロの6種類の管弦楽器がデザインされています。



サイズは、1トロイオンス・1/2トロイオンス・1/4トロイオンス・1/10トロイオンスの4種類でそれぞれの額面金額が100ユーロ・50ユーロ・25ユーロ・10ユーロと記されています。
トロイオンスとは、貴金属や宝石の原石の計量に用いられる単位で、1トロイオンスは31.1034768gです。これは通常質量、体積を計量する常用オンスより少し重くなります。
トロイという名前は中世時代重要な商都だったフランスのトロイに由来しており、この町の市場で使われていた単位だったといわれています。

2011年7月7日木曜日

戦捷記章



戦捷(戦勝と同じ意味)記章は、第一次世界大戦に際し
同盟及び連合国の戦勝記念の国際表章として制定されたもので、戦役に従事した者および軍務の功績が顕著な者に賜与されました。
(記章とは主にバッジ、メダルのことであり付ける部位によって
襟章、腕章、肩章などとよばれます)

この記章は銅製で表面には武甍槌(たけみかづち)神像、裏面には桜と地球の図、そして日本、アメリカ、イギリス、フランス、イタリアの各国旗の図が彫られています。第一次世界大戦に参加した全ての連合国が、同じ模様の綬(=じゅ:メダルに付いている短い紐のこと)を使用しているので、メダル部分の意匠は各国によって異なりますが、綬を見れば「戦捷記章」であることがわかるようになっています。
甍槌は、元々鹿島の土着神であり刀剣の神、軍神として 信仰されていて、鹿島神宮・春日大社及び全国の鹿島神社・春日神社に祀られています。